カブトムシ

風の吹いていた朝の公園で、木漏れ日がきれいだなと思っていたら、足元に、ひっくり返ってうまく動けなくなっている一匹のカブトムシがいた。こんなとこにもいるんだな、と驚きつつ、もとにもどしてあげたら、陽気な足音でも響きそうな軽快な足取りで近くの木に向かって歩いていった。ここはどこだろう、というためらいもなく、一直線で、早くお家に帰るんだ、という強い意思を背中に漂わせながら帰っていった。